賢くお得に!学生が始めるシェアリングエコノミー入門
はじめに:新しい消費スタイル「シェアリングエコノミー」とは
学生の皆さんの生活の中で、「買う」以外の方法でモノやサービスを利用する機会は増えているのではないでしょうか。例えば、フリマアプリで不要になった服を売買したり、特定の期間だけ必要な物をレンタルしたり。このような「共有」を基盤とした経済活動は、「シェアリングエコノミー」と呼ばれています。
シェアリングエコノミーは、インターネットを介して個人間や企業と個人との間で、場所、乗り物、モノ、スキル、時間などを貸し借りしたり、共有したりするサービス全般を指します。学生の皆さんにとっては、手軽に利用できる点や、経済的なメリットが大きい点が特に魅力と言えるでしょう。
そして、このシェアリングエコノミーは、実はエシカル消費とも深く関わっています。なぜシェアリングエコノミーがエシカル消費に繋がるのか、学生の皆さんがどのように手軽に始められるのかをご紹介します。
なぜシェアリングエコノミーがエシカル消費に繋がるのか
エシカル消費とは、環境や社会、地域に配慮した消費行動のことです。シェアリングエコノミーは、まさにこのエシカル消費の実践と密接に関係しています。
物を新しく生産する際には、多くの資源やエネルギーが消費されます。シェアリングエコノミーでは、既存の資源(モノ、場所、スキルなど)を有効活用するため、新たな生産を抑制し、廃棄物を削減することに繋がります。これは、地球環境への負荷を減らすという点で、非常にエシカルな選択肢と言えます。
また、シェアリングエコノミーのプラットフォームによっては、地域コミュニティの活性化や、スキルのある個人が収入を得る機会を提供するなど、社会的な側面にも良い影響を与えるものがあります。
学生がシェアリングエコノミーを始めるメリット
学生の皆さんがシェアリングエコノミーを活用することには、エシカルな側面に加えて、いくつかの具体的なメリットがあります。
- 経済的なメリット: 高価なものを購入するのではなく、必要な時だけ借りたり、安く手に入れたりすることができます。また、使わなくなったものを売却して収入を得ることも可能です。予算が限られている学生にとっては、大きな節約に繋がります。
- 手軽さと利便性: 購入や所有に伴う手続きやメンテナンスの負担が軽減されます。例えば、カーシェアリングなら駐車場代や維持費がかかりませんし、レンタルサービスなら不要になった後の処分に困りません。必要なものを必要な期間だけ利用できる手軽さがあります。
- 多様な選択肢: 通常購入では手が出しにくいような高品質な製品や、一度しか使わないような特殊なアイテムも、レンタルやシェアサービスを利用すれば気軽に試すことができます。
- 環境負荷の低減: モノを共有することで、過剰な生産や廃棄を防ぎ、資源の有効活用に貢献できます。これは、将来にわたって持続可能な社会を作るための一歩となります。
学生のためのシェアリングエコノミー具体的な始め方
では、具体的に学生の皆さんが日常生活でシェアリングエコノミーを取り入れるには、どのような方法があるのでしょうか。手軽に始められる代表的な例をいくつかご紹介します。
1. フリマアプリの活用(モノの売買・共有)
最も身近なシェアリングエコノミーの一つです。
- 不要なものを売る: 読まなくなった本、着なくなった服、使わなくなった家電や雑貨などをフリマアプリに出品することで、誰かの役に立てると同時に、お小遣いを稼ぐことができます。これは資源の有効活用であり、廃棄物削減に直結します。
- 安く買う: 欲しいものがあるけれど新品は高い、という場合に、フリマアプリで状態の良い中古品を探してみましょう。定価より安く手に入るだけでなく、リユースという形で環境に貢献できます。
2. レンタルサービスの利用(モノの利用)
特定の期間だけ使いたいモノや、購入するには高価すぎるモノに便利です。
- イベント用の服やバッグ: 結婚式やパーティーなど、特別な機会にしか着ないドレスやスーツ、バッグなどをレンタルすることで、購入費用を抑えられます。
- 旅行用品やアウトドアグッズ: 旅行頻度が少ない場合や、試しに始めてみたいアウトドア活動に必要な道具など、レンタルサービスを利用すれば初期投資が不要です。
- 家電や家具: 一人暮らしを始める際、一時的に必要な家電や家具をレンタルする選択肢もあります。
3. カーシェア・サイクルシェアの利用(移動手段の共有)
車や自転車を持たなくても、必要な時にだけ利用できるサービスです。
- カーシェア: 実家に帰省する際や、友達と少し遠出する際に便利です。維持費がかからないため、必要な時だけ利用する方が経済的な場合があります。
- サイクルシェア: 大学周辺や街中での移動に手軽です。購入や駐輪場の心配がなく、必要な時に借りて好きな場所で返却できる利便性があります。公共交通機関と組み合わせることで、移動の選択肢が広がります。
4. その他の身近なシェア
- 本の貸し借り: 大学の図書館だけでなく、友達同士で本を貸し借りすることも立派なシェアリングです。
- スペースシェア: 自習スペースやイベントスペースを時間単位で借りられるサービスもあります。
シェアリングエコノミー利用のポイント
シェアリングエコノミーは便利でお得ですが、利用する際にはいくつか確認しておきたい点があります。
- プラットフォームの信頼性: 利用するサービス提供者や個人が信頼できるか、レビューなどを参考に確認しましょう。
- 利用規約の確認: サービスの利用料金、時間、場所、返却方法、破損時の対応などを事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
- 商品の状態確認: モノを借りたり購入したりする場合は、受け渡し時や利用開始前に状態を確認し、必要であれば写真を撮るなど記録を残しておきましょう。
シェアから始める、無理のないエシカル消費
シェアリングエコノミーは、学生の皆さんにとって「賢くお得に」そして「手軽に」エシカル消費を始めるための有効な手段です。高価なものを無理して買ったり、大量に所有したりすることだけが豊かな生活ではありません。必要なものを必要な時にだけ共有し、モノを大切に長く使うこと。それは、環境にもお財布にも優しい、これからの時代の新しい消費スタイルと言えるでしょう。
まずは、身近なフリマアプリで不要なものを整理してみることから始めてみてはいかがでしょうか。あるいは、次に何かが必要になった時、購入する前に「シェア」という選択肢があることを思い出してみてください。小さな一歩から、無理なくエシカルな消費を日常に取り入れていきましょう。