無理なく始める学生のエシカル家計管理術
学生生活では、学費や生活費、交際費など、さまざまなお金が必要になります。予算が限られている中で、どのようにやりくりしていくか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
エシカル消費に関心があっても、「環境に良いものは高そう」「お金がかかるんじゃないか」と感じて、なかなか手が出せないと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、エシカルな視点を持つことは、決して家計の負担を増やすことばかりではありません。むしろ、賢く実践すれば節約につながることも多くあります。
このコラムでは、学生の皆さんが無理なく始められるエシカルな家計管理の方法について解説します。
エシカル家計管理とは?
一般的な家計管理は、収入と支出を把握し、無駄を減らして貯蓄を増やしたり、計画的にお金を使ったりすることに重点を置きます。これに対して、エシカル家計管理は、それに加えて「どのように稼ぎ、どのように使うか」というお金の流れ全体に倫理的な視点を取り入れる考え方です。
具体的には、
- どこから収入を得るか: 働く場所や仕事内容が倫理的な問題を含んでいないか
- 何にお金を使うか: 購入する商品やサービスが、環境や社会に配慮して作られているか
- お金を増やしたい場合: 投資先が持続可能な企業であるか(学生向けには少額投資などの選択肢もあります)
といった点を意識します。
難しく聞こえるかもしれませんが、日常の「使う」という行動から意識を変えていくことが、エシカル家計管理の第一歩となります。そして、このエシカルな視点が、結果として無駄遣いを減らし、節約につながる場合が多く見られます。
学生向け:無理なく始めるエシカル家計管理のステップ
「いきなり全部を変えるのは大変」と感じる必要はありません。まずは、身近なところから少しずつ始めてみましょう。
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現状のお金の流れを把握する
- まずは、1ヶ月の収入(アルバイト代、仕送り、奨学金など)と支出(家賃、食費、交通費、通信費、交際費、趣味など)を記録してみましょう。家計簿アプリや簡単なノートでも構いません。
- ポイント: 何にどれくらい使っているかを「見える化」することで、無駄遣いの傾向が見えてきます。これはエシカル家計管理だけでなく、一般的な節約にも欠かせないステップです。
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エシカルな視点で支出を見直す
- 把握した支出項目を、「これは本当に必要か?」「よりエシカルな選択肢はないか?」という視点で見直します。
- 例えば、
- 衝動買い: 必要かよく考えてから購入する(無駄な生産・消費を減らす)
- 外食・コンビニ利用: 自炊を増やす、マイボトルやマイバッグを持参する(ゴミを減らす)
- 洋服: 古着やセカンドハンドを利用する、長く着られる服を選ぶ(資源の節約)
- 日用品: 環境負荷の少ない製品を選ぶ、詰め替え用を利用する(環境配慮)
- ポイント: 無理な我慢は続きません。「これならできそう」という項目から一つずつ取り組むことが大切です。
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エシカルな選択が節約につながる具体例を知る
- エシカルな行動は、直接的に家計を助けることがあります。
- 例1:フードロス削減
- 食材を計画的に購入し、使い切ることは、無駄な出費を減らす最も効果的な方法の一つです。これも広義ではエシカル消費につながります。
- 作りすぎた料理を冷凍保存したり、余った野菜の切れ端を活用したりすることも有効です。
- 例2:シェアリングサービスの活用
- たまにしか使わないモノ(特定の工具、イベント用の服など)を購入する代わりに、シェアリングサービスを利用すれば、購入費用を大幅に抑えられます。これもモノを無駄にしないエシカルな選択です。
- 例3:長く使えるものを選ぶ、手入れする
- 安価でもすぐに壊れるものを頻繁に買い替えるより、少し高くても丈夫で長く使えるものを選び、丁寧にお手入れすることは、長期的に見てコスト削減につながります。これもモノを大切にするエシカルな行動です。
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情報収集と計画的な購入
- エシカルな商品やサービスは、探せば意外と身近にあります。
- インターネットやSNSで情報を集めたり、認証マークを参考にしたりすることで、より良い選択肢を見つけられます。
- ポイント: セール時期やポイントアップを活用するなど、計画的に購入することで、エシカルな商品をよりお得に入手できる可能性もあります。
エシカル家計管理を続けるために
エシカル家計管理は、一度やれば終わりではありません。ライフスタイルの変化に合わせて、継続的に見直していくことが大切です。
- 小さな成功体験を積み重ねる: 「今月は無駄な買い物をしなかった」「詰め替え用を選べた」など、小さなことでも良いので、できたことを褒めてモチベーションを維持しましょう。
- 完璧を目指さない: 時には難しい選択をすることもあるかもしれません。無理なく、できる範囲で続けることが何より重要です。
- 友人や家族と共有する: エシカル消費に関心のある友人や家族と情報交換することで、新たな気づきが得られたり、励みになったりします。
まとめ
エシカルな視点を取り入れた家計管理は、「地球や社会のために何かいいことをする」という側面に加えて、「自分自身のお金の使い方を見直し、無駄を減らして賢く暮らす」という実利的なメリットも持ち合わせています。
時間や予算が限られている学生の皆さんでも、まずは現状把握から始め、できることから少しずつ取り組んでいくことで、無理なくエシカル家計管理を実践できます。
今日から、あなたのお金の使い方に「エシカル」という新しい視点を加えてみませんか。それが、より豊かな学生生活と、持続可能な未来につながる一歩となるはずです。