「私もやってみようかな」を引き出す:学生のための身近な人とのエシカル消費
はじめに:身近な人とのエシカル消費、どう話しますか?
エシカル消費に興味を持ち、少しずつでも実践を始めた学生の方の中には、友人や家族にどう話せば良いか、少し戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。「意識高いね」と言われるのではないか、あるいは興味を持ってもらえなかったらどうしよう、といった心配もあるかもしれません。
しかし、エシカル消費は決して一人だけで完結するものではありません。身近な人とのコミュニケーションを通じて、より楽しく、無理なく続けるためのヒントがあります。ここでは、身近な人にエシカル消費について自然に伝えたり、一緒に始めてみたりするための、手軽で具体的な方法をご紹介します。
なぜ身近な人とエシカル消費について話すことが大切なのですか?
エシカル消費は個人の選択ですが、その考えや行動を身近な人と共有することには、いくつかのメリットがあります。
- 自分の理解が深まります 誰かに説明しようとすることで、自分自身のエシカル消費に関する知識や考えが整理され、より深く理解できるようになります。
- 新しい情報や視点を得られます 話を聞いた相手から、思わぬ情報や、自分とは異なるエシカル消費への取り組み方を知る機会があるかもしれません。
- 一緒に取り組むことでモチベーションが維持できます 同じ関心を持つ人が身近にいると、一人で頑張るよりもモチベーションを維持しやすくなります。情報交換をしたり、共に小さな目標を立てたりすることもできます。
- 身近な人に良い影響を与える可能性があります あなたの何気ない行動や言葉が、身近な人がエシカル消費に興味を持つきっかけになるかもしれません。それは小さな一歩でも、社会全体にポジティブな変化を広げることに繋がります。
- 一人で抱え込まない安心感が得られます エシカル消費に関する疑問や悩み、失敗談などを共有できる人がいると、安心して続けることができます。
どう話す?無理なく伝えるためのヒント
いざ身近な人に話すとなると、どう切り出せば良いか迷うかもしれません。難しく考える必要はありません。以下のヒントを参考に、まずは気楽に話してみてください。
「〜すべき」ではなく「私は〜してみたんだ」と話す
相手に何かを強制するような言い方や、「あなたはエシカルじゃない」といった否定的な言い方は避けましょう。自分の経験として、「最近、〇〇(例:マイボトル)を使ってみ始めたんだ」「△△(例:フリマアプリ)で服を買ってみたら、意外と良くて節約になったよ」のように、自分の行動や感じたことを共有する形で話すと、相手は興味を持ちやすくなります。これは「Iメッセージ」とも呼ばれ、自分の気持ちや考えを伝える効果的な方法です。
具体的な「手軽な行動」から話す
エシカル消費と聞くと、壮大な社会問題のように感じてしまう人もいます。最初は、日常生活の中で誰もが取り組みやすい、具体的な行動から話してみましょう。 * 「エコバッグ、コンビニでもらったことないんだけど、慣れると荷物がまとめやすくて便利だよ」 * 「この前買ったレトルトカレー、フェアトレードの商品だったんだけど、美味しかったんだ」 * 「余った野菜でスープ作ってみたら、意外と美味しくてフードロス減らせるし、食費も浮くんだ」
このように、自分自身が感じた「手軽さ」や「メリット(特に節約や便利さなどの実利的な側面)」を伝えることが、相手が「それなら私にもできるかも」「ちょっと試してみようかな」と思うきっかけになります。
相手の意見や考えを聞く姿勢を持つ
自分が話すだけでなく、相手がエシカル消費についてどう考えているか、何か取り組んでいることはないか、といった質問をしてみましょう。エシカル消費に対するイメージや、なぜ興味があるのか・ないのかなどを聞くことで、相手の状況を理解し、より自然な会話に繋げることができます。もし相手があまり興味を示さなくても、それはそれで良いのです。強要したり、無理に説得しようとしたりする必要はありません。
軽い会話の中で自然に触れる
改めて「エシカル消費について話そう」と構える必要はありません。買い物の途中や食事の時、何かを捨てる時など、日常のふとした瞬間に、自分の行動や考えを軽く伝える程度で十分です。例えば、飲み物を買う時に「あ、マイボトル持ってたからこれに入れよう」と言ってみる、捨てる時に「これはプラスチックゴミだね」と呟いてみる、といった些細なことから始めてみましょう。
一緒に始める?具体的なステップとアイデア
もし身近な人がエシカル消費に興味を示してくれたら、一緒に何か小さなことを始めてみるのも良い方法です。
- 一緒に買い物に行く時に意識してみる: スーパーやお店で、「この野菜、地元産だね」「これ、フェアトレードのマークが付いてる」などと話題にしてみましょう。一緒に商品を選んでみるのも良い経験になります。
- 一緒に料理をする際にフードロス削減に挑戦する: 余った野菜の皮やヘタを使ったレシピを一緒に探したり、冷蔵庫にあるもので献立を考えたりするのも楽しいです。
- カフェに一緒に行く時にタンブラー持参を提案する: 「タンブラー持参で少し割引になるみたいだよ」と、メリットを伝えながら誘ってみましょう。
- フリマアプリやリユース店の利用について情報交換する: 「この服、フリマアプリで売ってみようと思うんだけど、どう思う?」「このお店、可愛い古着があるらしいよ、今度一緒に行ってみない?」など、お互いの経験や興味を共有できます。
- 興味がありそうなエシカルに関する情報(動画、記事など)をシェアする: 難しすぎない、共感を呼ぶような短い動画や、具体的な行動を紹介する記事などを共有してみましょう。「これ、面白かったんだけど、どう思う?」といった軽い投げかけ方がおすすめです。
最初から大きな目標を立てる必要はありません。「まずは今週、一人一杯分のマイボトルを使ってみる」「来月は食品ロスを意識して買い物リストを作ってみる」といった、無理のない小さなステップから一緒に取り組むことを提案してみましょう。
まとめ:身近な人との繋がりをエシカル消費に活かす
身近な人とのコミュニケーションは、エシカル消費を特別なことではなく、日常生活の一部として定着させるための大切な要素です。難しく考えず、「私はこういうことを始めてみたよ」「こんなメリットがあったんだ」といった、自分の率直な経験や感想を共有することから始めてみましょう。
相手に強要するのではなく、あくまで自分のペースで、そして相手の興味や関心に寄り添いながら話を進めることが大切です。もし一緒に取り組んでくれる人がいたら、それはエシカル消費を続ける上での大きな支えとなります。
身近な人との繋がりを大切にしながら、楽しみながらエシカル消費の輪を少しずつ広げていく。そんな無理のない関わり方から、あなたもエシカル消費をより豊かに、そして手軽に続けていくことができるはずです。