学生向け:環境にもお財布にも優しいエシカルな掃除・洗濯術
学生の皆さんにとって、日々の掃除や洗濯は、時間も手間もかかる家事の一つかもしれません。そして、洗剤や柔軟剤、水道代や電気代など、意外とコストもかかるものです。
「エシカル消費」と聞くと、少し難しそう、自分には関係ないことのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は毎日の掃除や洗濯といった身近な行動の中にも、手軽にエシカルな視点を取り入れ、さらに家計の節約にもつなげられる方法があります。
この記事では、学生の皆さんが無理なく実践できる、環境にもお財布にも優しいエシカルな掃除・洗濯のヒントをご紹介します。特別な知識は必要ありません。今日からできる小さな工夫から始めてみましょう。
エシカルな掃除・洗濯とは
エシカル(ethical)とは、「倫理的な」「道徳的な」といった意味を持つ言葉です。エシカル消費は、環境や社会、地域に配慮した製品やサービスを選び、購入・消費する行動を指します。
掃除や洗濯におけるエシカルな視点は、主に以下の点に集約されます。
- 環境負荷の低減: 洗剤や柔軟剤に含まれる化学物質が河川や海を汚染することを減らす、使用する水の量を抑える、電気の使用量を減らすなど、環境への影響を最小限にする工夫です。
- 資源の有効活用・ゴミの削減: 繰り返し使える道具を選ぶ、詰め替え用製品を利用する、不要なものを減らすといった取り組みです。
- 人や社会への配慮: 環境に配慮して作られた製品を選ぶことは、その製造過程に関わる人々の労働環境や地域社会にも良い影響をもたらす可能性があります。
このように聞くと少し難しく聞こえるかもしれませんが、要は「地球にも自分にも無理なく、より良い方法を選んでみよう」ということです。
学生でも手軽にできるエシカルな掃除・洗濯の方法
ここでは、学生の皆さんが日常生活で無理なく取り入れられる、具体的な方法をご紹介します。
1. 洗剤・柔軟剤の選び方と使い方
毎日使う洗剤は、選び方や使い方を少し工夫するだけで、環境負荷とコストを同時に減らすことができます。
- 環境に配慮した製品を選ぶ: 「環境ラベル」が付いているものや、「生分解性が高い」と表示されている製品は、使用後に自然界で分解されやすく、環境への負荷が比較的少ないとされています。ドラッグストアなどで探してみてください。
- 成分をチェックする: 石けん系や、植物由来の成分を主に使用した製品は、環境に優しい選択肢の一つです。成分表示を見て、気になる場合はインターネットで調べてみるのも良いでしょう。
- 濃縮タイプや詰め替え用を活用する: 濃縮タイプの洗剤は使用量が少なく済み、プラスチック容器の使用量を減らせる詰め替え用はゴミの削減につながります。どちらも価格が抑えられている場合が多く、お財布にも優しい選択です。
- 洗剤や柔軟剤は適量を使う: 洗剤を多く使えば汚れがよく落ちる、柔軟剤を多く使えば香りが強くなる、と思いがちですが、実際は適量を超えても効果は大きく変わらず、むしろ環境負荷を高めたり、肌への負担になったりすることがあります。製品のパッケージに記載されている使用量を守ることが大切です。
2. 水と電気の節約術
掃除や洗濯では、水や電気を多く使います。これらの使用量を減らすことは、環境負荷を減らすだけでなく、水道光熱費の節約に直結します。
- 洗濯はまとめ洗いをする: 少量の洗濯物を毎日洗うよりも、ある程度溜めてから一度に洗う方が、使用する水や電気の量を減らせます。ただし、溜めすぎると汚れが落ちにくくなる場合もあるので、適量を見つけましょう。
- 洗濯機の水位設定を見直す: 洗濯物の量に合わせて、適切な水位に設定することで、水の無駄遣いを減らせます。自動で設定される場合も、念のため確認してみてください。
- 風呂の残り湯を活用する: お風呂の残り湯を洗濯に使うことで、大幅な節水になります。ただし、すすぎにはきれいな水を使う方が衛生上安心です。
- 乾燥機を使いすぎない: 電気乾燥機は便利ですが、多くの電力を消費します。可能な限り、太陽光や風通しの良い場所での自然乾燥を取り入れると、電気代の節約になります。部屋干しの場合は、除湿器や扇風機を併用すると効率的です。
- 拭き掃除はバケツを使う: 少量の場合は問題ありませんが、広範囲を拭く際に水を流しっぱなしにするのではなく、バケツに汲んだ水を使う方が節水になります。
3. 掃除道具の見直し
使い捨ての掃除シートやクロスは便利ですが、ゴミが出てしまいます。繰り返し使える道具を選ぶことで、ゴミを減らし、長期的に見ればコストも抑えられます。
- マイクロファイバークロスや雑巾を使う: 洗って繰り返し使えるクロスや雑巾は、使い捨てシートの良い代替になります。洗剤を使わなくても汚れを落とせるタイプもあります。
- ブラシやスポンジを大切に使う: 高品質なブラシやスポンジは初期費用がかかるかもしれませんが、適切にお手入れすれば長く使うことができます。
4. 無理のないナチュラルクリーニング
「重曹」や「クエン酸」を使ったナチュラルクリーニングは、環境負荷が低く、安価で手軽に始められる方法として注目されています。
- 重曹: 研磨効果や消臭効果があり、コンロ周りの油汚れやシンクの掃除、生ゴミの消臭などに使えます。水と混ぜてペースト状にすると、頑固な汚れにも効果的です。
- クエン酸: 水垢や石けんカスなど、アルカリ性の汚れに効果があります。水に溶かしてスプレーボトルに入れ、洗面台やお風呂場の掃除に使えます。
特別な洗剤を何種類も揃える必要がなく、これら2つがあれば家中かなりの場所の掃除に対応できます。ただし、使う場所によって適不適があるため、事前に簡単な調べ物をすることをおすすめします。最初は気になるところから試してみるのが良いでしょう。
まとめ:小さな一歩が大きな違いに
エシカルな掃除・洗濯は、環境への配慮はもちろんのこと、洗剤代や水道光熱費の節約という、学生の皆さんにとって直接的なメリットも多くあります。
この記事でご紹介した方法は、どれも今日からでも始められる、比較的手軽なものばかりです。一度にすべてを完璧にする必要はありません。まずは洗剤を詰め替え用に変えてみる、洗濯物をまとめて洗うようにするなど、できることから一つずつ試してみてください。
日々の小さな積み重ねが、地球にもお財布にも優しい、より心地よい学生生活につながっていくはずです。