学生向け エシカルなイベント参加ガイド:賢く楽しむヒント
はじめに
学生生活において、友人とのライブ参戦やスポーツ観戦、学内イベントへの参加は、かけがえのない楽しみの一つではないでしょうか。好きなアーティストやチームを応援したり、大学生活を彩る特別な時間を過ごしたりすることは、日々のモチベーションにもつながります。
しかし、こうしたイベントは多くの人が集まるため、知らず知らずのうちに環境に負荷をかけてしまっている可能性も考えられます。例えば、大量のゴミが出たり、移動によって二酸化炭素を排出したりすることが挙げられます。
「エシカル消費」と聞くと、普段の買い物とは無関係な特別なことに感じるかもしれません。しかし、実はイベントへの参加という日常の楽しみの中にも、手軽にエシカルな視点を取り入れることができる場面が多くあります。そしてそれは、地球に優しいだけでなく、お財布にも優しい賢い選択につながることが少なくありません。
この記事では、初心者である学生の皆さんが、イベントを思いっきり楽しみながら、同時に環境や社会に配慮したエシカルな行動を無理なく実践するための具体的なヒントをご紹介します。
学生向けエシカルなイベント参加とは
エシカルなイベント参加とは、文字通り、イベントを楽しむ行動の中に「エシカル消費」や「倫理的な配慮」の視点を取り入れることです。具体的には、イベントに関連する商品やサービスを選ぶ際に、それらが環境に優しいか、社会的に公正であるかなどを意識することを指します。
例えば、チケットの購入方法、会場への移動手段、会場内で購入するもの、持ち物、そしてイベントが終わった後の行動など、イベント参加の一連の流れには、エシカルな選択ができる機会がいくつも存在します。
「意識が高い人だけがすること」と考える必要はありません。これからご紹介するのは、どれも普段の行動を少しだけ工夫したり、身近な選択肢を少しだけ変えてみたりするだけでできる、手軽な方法ばかりです。
なぜ学生にエシカルなイベント参加がおすすめなのか
学生の皆さんにエシカルなイベント参加をおすすめする理由はいくつかあります。
まず、学生にとって、イベントは貴重なリフレッシュや交流の機会です。この楽しい時間を通して、無理なくエシカル消費に触れることができます。普段の生活で意識しにくい人も、好きなイベントへの参加というポジティブな動機付けがあれば、取り組みやすくなるのではないでしょうか。
さらに重要なのは、エシカルなイベント参加が、倫理的な側面に加えて、学生にとって嬉しい具体的なメリットをもたらす点です。
- お財布に優しい節約につながる可能性がある: 公共交通機関や自転車の利用、マイボトルの持参などは、交通費や会場での飲食費の節約につながることがあります。計画的なグッズ購入も無駄遣いを防ぎます。
- 手軽に始められる行動が多い: チケットを電子化する、マイボトルを持っていくなど、普段から行っている行動の延長線上でできることが多く、特別な準備や手間がかかりません。
- イベントをより深く楽しめる: 環境や社会への配慮を意識することで、単に楽しむだけでなく、イベント自体や主催者への共感が増したり、自分自身の行動に満足感を得られたりします。
- 周囲への良い影響: エシカルな行動を実践する姿は、友人や家族にも良い影響を与える可能性があります。
このように、エシカルなイベント参加は、自分自身の楽しみを大切にしながら、賢く、そして無理なく社会貢献にもつながる魅力的な取り組みと言えます。
今日からできる!具体的なエシカルなイベント参加方法
それでは、具体的にどのような行動を心がければ良いのでしょうか。イベント参加のステップごとに見ていきましょう。
1. 出かける前の準備
イベントに参加する前の準備段階から、エシカルな選択肢があります。
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チケットは電子チケットを活用する
最近はスマートフォンで表示できる電子チケットが増えています。これを利用することで、紙のチケットの発行や印刷にかかる資源を節約できます。郵送やコンビニでの発券手続きの手間も省ける場合があり、学生にとって手軽な選択肢と言えます。
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会場までの移動手段を考える
車での移動は便利ですが、二酸化炭素の排出につながります。もし可能であれば、電車やバスといった公共交通機関を利用することを優先してみましょう。近距離であれば、自転車や徒歩も健康的で環境に優しい選択肢です。友人同士で参加する場合は、乗り合わせることで一台あたりの排出量を減らすことも検討できます。交通費の節約にもつながる場合が多くあります。
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マイボトル・マイバッグを持参する
会場で飲み物やグッズを購入する際に、使い捨てのコップや袋を受け取る機会が多くあります。事前にマイボトルに飲み物を入れたり、空のマイボトルを持参して会場で給水したりすることで、ペットボトルや紙コップのゴミを減らせます。また、グッズ購入用に折りたためるマイバッグを持っていくことも、プラスチックごみ削減につながります。これは、日常の買い物でも実践できる手軽なエシカル消費の代表例です。
2. 会場での行動
イベント会場でも、少し意識するだけでエシカルな行動が可能です。
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ゴミを減らし、正しく分別する
会場内で飲食物を購入したり、グッズの包装材が出たりと、ゴミが発生しやすい場面です。食べきれる量だけを購入し、容器包装はできる限り持ち帰る、あるいは会場の分別ルールに従って正しく捨てることを心がけましょう。分別表示を確認する、近くに適切なゴミ箱がなければ持ち帰るなど、小さな意識が会場全体のゴミ削減につながります。
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環境配慮型の商品を選ぶ
イベントによっては、リサイクル素材を使ったグッズや、地元の食材を使った飲食物などが販売されていることがあります。もし選択肢があれば、そうした環境や社会に配慮した商品を選んでみるのも良い方法です。
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節水・節電を意識する
トイレの水を流しっぱなしにしない、不要な照明は消すなど、イベント会場という非日常空間でも、普段の生活で当たり前に行っている節水・節電の意識を少し持つだけでも、会場全体の負荷軽減に貢献できます。
3. イベントが終わった後
イベントが終わった後にも、エシカルな視点を持つことができます。
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購入したグッズを大切に使う、または賢く手放す
イベントグッズは、思い出の品として大切に使い続けることが一番エシカルです。もし不要になった場合でも、すぐに捨ててしまうのではなく、フリマアプリやリユースショップを利用したり、必要としている友人に譲ったりすることを検討してみましょう。これにより、まだ使えるものがゴミになるのを防ぎ、資源の有効活用につながります。
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イベント体験を通して学んだことを共有する
イベントのテーマが環境問題や社会課題に関わるものであった場合、そこで得た知識や感じたことを友人や家族に話したり、SNSで発信したりすることも、エシカルな行動と言えます。たとえ直接的な環境行動でなくても、エシカルな視点を広めることにつながります。
無理なく続けるためのヒント
エシカルなイベント参加を無理なく続けるためには、いくつかポイントがあります。
まず大切なのは、「全てを完璧にこなさなければならない」と考えすぎないことです。最初から全ての項目を実践しようとすると、負担に感じてしまうかもしれません。まずはチケットの電子化やマイボトルの持参など、自分にとって最も手軽にできることから一つ、二つ始めてみましょう。
次に、友人や一緒にイベントに参加する人と、エシカルな行動について気軽に話してみるのも良い方法です。一人で頑張るのではなく、一緒に取り組むことで、より楽しく継続できるようになります。
そして、できたことを自分で褒めてあげましょう。「マイボトルを持って行けた」「ゴミの分別を意識できた」など、小さな一歩でも行動できたことを肯定的に捉えることが大切です。
何よりも、イベントを楽しむ気持ちを一番にしてください。エシカルな行動は、その楽しみを損なうものではなく、むしろ自分自身の満足度を高め、より豊かな体験にするための「賢いヒント」として捉えていただければ幸いです。
まとめ
コンサート、スポーツ観戦、学園祭など、学生生活を彩る様々なイベントは、エシカル消費を無理なく実践するための素晴らしい機会となります。チケットの選び方から移動手段、会場での過ごし方、そしてイベント後まで、少しの工夫で環境や社会に配慮した行動は可能です。
今回ご紹介した方法は、どれも学生の皆さんが日頃の行動の延長線上で手軽に取り組めるものばかりです。そして、環境に優しいだけでなく、交通費や無駄遣いの削減といった、学生にとって嬉しい実利的なメリットにもつながります。
「意識が高い人向け」と思われがちなエシカル消費ですが、このように身近なイベント参加という場面でも実践できること、そしてそれが自分自身の利益にもなることを知っていただけたなら幸いです。
イベントを思いっきり楽しみながら、あなたにとってのエシカルな一歩を踏み出してみてください。その小さな行動の積み重ねが、より良い未来につながっていくことでしょう。