大学の食堂・購買で無理なくできるエシカル消費の始め方
はじめに
大学での生活は、学業にサークル、アルバイトと毎日が忙しいものです。そんな中でも、最近「エシカル消費」という言葉を耳にする機会が増えたかもしれません。しかし、「難しそう」「意識が高い人がやること」と感じて、自分には関係ないと思っていませんか。
実は、エシカル消費は特別な場所や時間を使って行うことばかりではありません。普段皆さんが利用している大学の食堂や購買でも、少しの意識で無理なく始めることができるのです。しかも、それは地球環境や社会のためになるだけでなく、皆さんの生活にも実利的なメリットをもたらすことがあります。
この記事では、時間や予算が限られている学生の皆さんでも、いつもの大学の食堂や購買で手軽に始められるエシカル消費の具体的な方法と、そのメリットをご紹介します。
大学の食堂で始めるエシカル消費
大学の食堂は、多くの学生にとって日々の食事を済ませる身近な場所です。ここで少し意識するだけで、エシカルな選択が可能になります。
食べ残しを減らす工夫
フードロスは世界的な課題であり、日本でも多くの食料が廃棄されています。食堂での食べ残しを減らすことは、エシカル消費のとても身近な一歩です。
- 量を考えて注文する: 食べきれる量を考えて、小盛メニューを選んだり、ご飯の量を減らしてもらったりすることができます。
- バランス良く食べる: 栄養バランスを意識することは、自分の健康につながると同時に、提供される食材を無駄なく消費することにも貢献します。
- 追加注文は慎重に: 最初から欲張りすぎず、足りなければ追加することを検討するなど、計画的に注文します。
食べ残しを減らすことは、食堂側の廃棄コスト削減にもつながり、結果として皆さんの利用価格にも良い影響を与える可能性があります。また、フードロス削減に貢献しているという倫理的な満足感も得られます。
地産地消や環境配慮型メニューを選ぶ
食堂によっては、地元の食材を使ったメニューや、環境に配慮した形で生産された食材を使ったメニューを提供している場合があります。
- メニュー表示に注目: 「〇〇県産」「地元の野菜使用」といった表示があるか確認してみます。
- フェアトレードコーヒーなどを選ぶ: 食後にコーヒーを飲むなら、フェアトレード認証されたものが置いていないか探してみます。フェアトレードは、発展途上国の生産者の生活向上や児童労働の防止につながります。
地産地消の食材を選ぶことは、食材の輸送にかかるエネルギーを削減し、地域の活性化にも貢献します。少しだけメニュー選びに意識を向けるだけで、環境や社会への貢献につながります。
学内購買・売店で始めるエシカル消費
大学の購買や売店も、飲み物やお菓子、文房具など、学生生活に必要なものが揃う便利な場所です。ここでも手軽にエシカル消費を実践できます。
簡易包装や詰め替え可能な商品を選ぶ
購入する商品のパッケージに注目してみます。
- 過剰な包装を避ける: 簡易包装の商品や、個包装されていない商品を選びます。
- 詰め替え用を利用する: シャンプーや洗剤など、詰め替え可能な商品は本体容器を繰り返し使うことで、プラスチックごみの削減につながります。購買で日用品を取り扱っている場合、詰め替え用があるか確認してみましょう。
これらの選択は、ごみを減らすことにつながるだけでなく、詰め替え用の方が価格が安いことも多く、節約にもなります。
フェアトレード認証のお菓子や飲み物を選ぶ
食堂と同様に、購買でもフェアトレード認証の商品を見つけることができます。
- 認証マークを確認: 商品パッケージにフェアトレード認証マーク(例:国際フェアトレード認証ラベル)がついているか探してみます。
- 少しの意識で購入: いつも買っているお菓子や飲み物に、フェアトレード認証のものがあれば、そちらを選んでみるのはいかがでしょうか。
これは、特に意識せずとも普段の買い物の延長でできる、手軽な社会貢献です。
マイバッグを持参する
レジ袋有料化が進み、すでに実践している方も多いかもしれませんが、購買での買い物でもマイバッグを持参することは重要です。
- 常に携帯を習慣に: 小さくたためるマイバッグをカバンに入れておくと、急な買い物でも対応できます。
レジ袋の削減は、プラスチックごみ問題の解決に貢献する最も身近な行動の一つです。そして、レジ袋代の節約にも確実につながります。
さらに一歩進むなら:大学の取り組みに参加する
もし興味があれば、大学が主催またはサポートしているエシカルな取り組みに参加することも考えてみましょう。
- フードドライブ: 大学内でフードドライブ(家庭で余っている食品を集めて支援団体に寄付する活動)が行われていないか確認してみます。
- リサイクル活動: 学内のリサイクルステーションを正しく利用したり、資源ごみの分別を徹底したりします。
- 関連イベントや講演会: エシカル消費やサステナビリティに関する学内イベントがあれば、気軽に参加してみるのも良いでしょう。
これらは無理のない範囲で、情報収集の一環としても参加できます。「意識が高い」活動というよりは、大学というコミュニティの一員として、身近な課題解決に貢献する機会と捉えられます。
まとめ:いつもの場所から、あなたらしいエシカル消費を
エシカル消費を始めるのに、特別な場所や高価な商品を選ぶ必要はありません。今回ご紹介したように、皆さんが日常的に利用する大学の食堂や購買でも、無理なく手軽に始められる行動がたくさんあります。
食べ残しをなくす、地産地消を選ぶ、簡易包装や詰め替え用を選ぶ、フェアトレード商品を試す、マイバッグを持参する。これらはどれも小さな一歩かもしれませんが、一人ひとりの行動が集まることで、環境や社会に良い変化をもたらすことにつながります。同時に、フードロス削減によるコスト抑制、詰め替え用による節約、マイバッグによる節約など、皆さん自身の生活にもメリットがあることを忘れないでください。
エシカル消費は「こうしなければならない」という堅苦しいものではありません。できることから、興味のあることから、あなた自身のペースで始めてみることが大切です。大学の食堂や購買を利用する際に、ほんの少しだけ「エシカル」を意識してみてはいかがでしょうか。